はじめに
野球のルールなんていまさら…と思われるかもしれません。ですが、とんでもないことが起こるのが少年野球。大人が考えもしなかったプレーにあ然とすることもしょっちゅうです。

野球が好きな人でも知らないルールが結構あるようです。おやじコーチといえども(自分もそうですが)子供たちに野球を教える立場です。最低限のことは知っておきたいですね。

たとえばこんなとき、あなたが守備側の監督だったらどうしますか?
状況:ツーアウト1塁。ボールカウント2-3。当然、1塁走者は投球と同時にスタート。

ここで、ピッチャーの投げた球はワンバウンド。キャッチャーの体に当たり、転がったボールはそのまま、ボールデッドラインを越えてしまいました。球審は1塁走者には3塁を、打者にはフォアボールの1塁+ワンベースで2塁を指示しました。(ボールデッドの瞬間には、1塁走者は2塁を回っていました)  これって正しい判定?

いかがですか? 

この場合、守備側の監督は抗議の権利があります。なぜならアウト・セーフのようなジャッジの問題なら抗議はできませんが、ルールの運用上の問題は抗議できるのです。

こんな小さなことでも勝敗を分けることだってあります。たとえあなたが監督でなくても、あなたの助言でチームのピンチが救われれば「さすが!○○コーチ」とあなたの株が上がりますよ。

知識とお金はあっても邪魔になりませんよね。

(このケースの正解はこちらから)














解説

このケース…これは実際見たことがあります。他のチームの試合を見ているときでした。自分は「え?」と思ったのですが、守備側は抗議もせずにそのまま進行してしまいました。

7.05(i)に「打者のフォアボール目が区域外に出た場合打者には1塁が与えられるにすぎない」とあり、【付記】に「投手の投球が捕手を通過した後(捕手が触れたかどうかを問わない)捕手またはその他の野手に触れてボールデッドとなった場合……2個の塁を与える」とあります。ということは投球が捕手に当たって(その後誰も触らず)直接ボールデッドの区域に入った場合、打者はフォアボールの1塁だけだということになります。
また、走者にも一つの塁が与えられるだけなのです。気をつけなければいけないのは「ボールデッドの時にどこにいたか」ではなく「投球当時に占有していた塁(つまり1塁)」が基準となるところです。

この場合、ツーアウト1・2塁で次打者をむかえて試合再開。が正しい判定です。



















正解

チップのボールを正規の捕球したものを「ファウルチップ」といいます。
野球規則2.34 …「ファウルチップ」はストライクであり、ボールインプレーである。)

この問題の場合、正規の捕球をしているものは三振であり、そうでないものはファウルということになります。

ではどういう状態を「正規の捕球」というのでしょうか。 6.05(b)【原注】より
(a) 地面に触れていないボールである。(ワンバウンドは×)
(b) 捕手のミットに入っている。(着衣や用具に止まった×)
(注) チップしたボールが最初にミットまたは手に触れてから、用具や体に当たってはね返ったものを捕手が地上に落ちる前に捕球すれば正規の捕球とする。

ということで、問題 @、Bは三振。問題 Aはファウルとなります。





















正解

簡単すぎましたね。

もちろん「得点は認められない」が正解です。ではその根拠はルールブックのどこにあるのでしょう。

4.09(a) 第三アウトになる前に走者が正規に一塁、二塁、三塁、本塁、に進み、かつ、これに触れた場合一点が記録される。  と書かれてあります。

「え?それじゃ二塁のフォースアウトより先にホームを踏んでるから一点はいるの?」ってことになります。

実は4.09(a)の【付記】に例外が三つあると書かれています。これは次回の「アピールプレー、タイムプレー」でも関係してきます。ぜひ、記憶にとどめておいて下さい。

【付記】 第三アウトが次のような場合には、そのアウトにいたるプレー中に、走者が本塁に進んでも得点は記録されない。
(1) 打者走者が1塁に触れる前にアウトにされたとき。
(2) 走者がフォースアウトにされたとき
(3) 前位の走者が塁に触れ損ねてアウトにされたとき。

ということで、問題のケースでは得点は認められません。
















状況の説明


ワンアウト2・3塁のチャンスでした。快音を残して打球はセンター後方へ上がりました。抜けると思った二塁ランナーは捕球されたとき三塁ベースのところまで来ていました。彼は帰塁をあきらめたのでしょうか、そこで立ち止まってしまいました。それを見ていたセンターは、ゆっくりと二塁方向に走ったあとで二塁に送球しました。その間に三塁ランナーはタッチアップからホームイン。もちろん二塁のアウトより早くホームを踏んでいました。

自分は当然1点入ると思っていました。ところが、スコアボードには得点が入っていません。攻撃側からの抗議もなく、そのまま試合は進行してしまいました。

攻撃側の監督・コーチはどうしたのでしょうか?1点差を争うゲームではなかったので、分かっていたけど抗議をしなかったのでしょうか…。それとも、得点は認められないと思ったのでしょうか…。
こんなとき、おやじコーチのあなたの出番です。監督に提言してください。「公認野球規則ではこのケースの場合、得点が認められるはずです。審判に抗議をお願いします」と。



















正解

このまま攻守交替で選手がベンチに戻ってしまうと相手チームに1点入ってしまいます。

なぜでしょうか?

このままでは、1塁のアウトはタイムプレーによる1塁ランナーのアウトなので、それ以前にホームインした得点は認められてしまいます。しかし、3塁ランナーは触塁の義務を果たしていません。
本来なら、フライを捕ったファーストが3塁走者をアウトにするために3塁に送球しベースタッチすれば何の問題も無かったのです。
でも、すでに第三アウトが成立してしまっています。何か手立てはあるのでしょうか。

ここでは 7.10(d)にある「アピールアウトを第三アウトと置き換える」を使うのです。
アピールによって1塁走者の第三アウトを3塁走者のアウトと置き変えることにより、点が入らないというわけです。

ちなみに、選手がベンチに戻ってしまうとアピール権は消失します。

実際には……選手に、「ボール持って3塁ベースを踏みなさい」と指示し、監督が審判に「第三アウトをこのアウトと置き換えます」と告げてください。



















正解

2.15(捕球)で【原注】に…ジャッグルしたり、あるいは他の野手に触れることがあってもボールが地面に触れる前に捕らえれば正規の捕球となる。…
と書かれてありますので、この場合記録上はライトフライで打者はアウトとなります。
ここまではわかると思います。

では、タッチアップのタイミングは
@完全捕球した時なのか?
A最初の野手が触れた時なのか?

正解はAです。三塁走者の離塁は早くなく「セーフ」とコールして下さい。

実は2.15【原注】には続きがあって、…走者は、最初の野手が飛球に触れた瞬間から、塁を離れてさしつかえない。…
と書かれています。

仮に完全捕球されるまでランナーはスタートできないとしましょう。
その場合、たとえば犠牲フライになりそうな打球が飛んだとき、2人の外野手が示し合わせ、捕球と見せかけながら意図的にグラブで相手にトスしてしまったらどうでしょう。それを二度、三度とくり返しながら前進してきます。いつまでたっても捕球≠ノはならず、ランナーはいっこうにスタートすることができませんね。つまりこのルールができたのは、そんなずるいプレーを防ぐためなのです。



















正解

状況@

この場合審判員は石ころと同じです。ですから「アウト」が正解です。


状況A

この場合審判員は石ころではありません。内野手の前で直接ボールに当たった場合
 ・ボールデッドになる
 ・打者には「ヒット」が記録され1塁へ
 ・そのために押し出される走者は次の塁へ(この場合1塁走者は2塁へ)
 ・それ以外の走者は投球当時に占有していた塁に留まる(この場合3塁走者のホームインは認められません)

  というわけで、「点は入らず一死満塁で試合再開」が正解です。

詳しくは問題の後の説明を読んでいただければ分かると思います。